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COCO754

12戸の単身者用賃貸集合住宅である。

限られた予算内で計画するため、余分な仕上げや間仕切り壁をなくし合理的な計画が求められた。そこで、断熱性を確保するため屋根/外壁面には遮熱塗料を施し、室内はコンクリート打放しとした。

この条件の下、グラフィックデザイナーであったオーナーの希望から、共用廊下に絵画ギャラリーを設けた。また住戸内にロフトを設けるため、5つのフロアレベルとなり、階段スペースは絵画や中庭を眺めながら上がる楽しい空間となった。住戸内では、水回りスペースが舞台のように一段あがり、居室との壁はなく開放的にした。

平面的には複雑であるが、合理性を追求したデザインの結果、緊張感の中に楽しさのある空間となった。

所在地
埼玉県さいたま市
用途
共同住宅
敷地面積
201.19㎡
建築面積
140.76㎡
延床面積
417.52㎡
構造
RC造 地上3階建
竣工年
2005年

 

 

△BURUTUS 2005/10

 

中庭を内包し、内側に開いた伸びやかな空間。

大宮駅の喧騒も幹線道路を超えればすでになく、この物件の周囲は静かな住宅街になっている。角地に建つオーナー邸の前庭を囲むようにコの字型の建物を配置。道路に面するふたつの壁にはアトランダムに窓が並び、ファサードに豊かな表情を与えている。「外界に強く閉じる一方で、すべての住戸は中庭に面して配置し、開放感を与えた」のだと設計者は語る。エントランスに入ると中庭が広がり、その中庭を通りながら各住戸へとアプローチする仕掛け。共用階段を上がると、絵画を飾ったギャラリースペースになっていて、住人の憩いの場を提供する。
内包する12の住戸はスタジオタイプが中心。1階に2戸、3階には3戸のロフト付きプランも用意する。写真は3階部分のロフト付き住戸。ロフトの下側に水まわりを集約し、ロフトが頭上を遮らないスペースには3.6mもの天井高が与えられ、空間は実に伸びやか。
住人のSさんは「高い天井が気に入り、契約を決めた」のだと言う。約13㎡という十分な広さを持つロフトは、ベッドルームに使用。「ベッドを置いてもスペースが余るから、生活感があるものは全部ロフトに上げています」
ロフトの天井の中央部には、パイプとカーテンレールが設置され、クローゼットに使える仕掛けに。限られた家具だけを置いた、高い天井のソファで寛ぐSさん。高さを生かしたプランが、豊かな生活を育む。

白い外観とは対照的に、内装は打ち放しでハードに仕上げた。室内には間仕切りはなく、ワンルームの空間に水まわりを配置。バスルームはガラス張り、その脇にトイレをオープンで設置し、必要に応じカーテンで仕切るなど、住人の住まう力を引き出す空間構成を提案した。

 

△LIVES 2005/10

 

グラフィカルなデザインが際立つペット可の集合住宅

大宮駅からソニックシティ方面に約10分歩いたペット可のデザイン集合住宅。施主がグラフィックデザイナーということもあり、共有部にも随所に楽しい仕掛けが施されている。2階の踊り場には、オーナーの作品が飾ってあり、ちょっとしたギャラリーの趣。各部屋の番号表示のピンクもオーナーの指定とのこと。部屋の床には一面、赤系色の天然リノリウムが貼ってあり、健康にも配慮している。スチール関係の仕上げにはすべて溶融亜鉛メッキが施され、丈夫なだけでなく、その表面の結晶も美しい。外観は、機能に関係のない飾りの目地もグラフィカルに掘られ、楽しい雰囲気だ。オーナーの要望も各所に生かされた完成度の高い集合住宅に仕上がっている。

 

△映画「二流小説家 シリアリスト」 2013/6/15(土)より全国公開

 

突然、映画製作の会社の方から電話を頂いた。
「上川隆也主演のミステリー映画で、殺人現場として撮影協力してくれるマンション(しかもロフト付き)を探している」とのこと。
すぐに「COCO754がドンピシャだ!」と思ったが、フィクションとはいえ、自分のマンションを殺人現場に快く提供しようと思うオーナーがいるだろうか?
確認をとってみるからと、一旦電話を置く。
恐る恐る、オーナーのH氏に電話で相談してみると、「ちょうど一部屋開いてるから、使って使って!」と思いもよらずノリノリの声。
そんなわけで、実現した映画出演。YouTubeでは、上川隆也さんが階段を駆け下りて来るシーンが映っております。
実際、映画も見ましたが、テンポも良く、面白い映画に仕上がってるなと思いました。
興味のある方は、DVDなどでどうぞ。