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渋谷区上原の閑静な住宅地に建つファミリー向け3軒の長屋住宅。

施主のおばあさまから伺った植木にまつわる思い出話から、その記憶を建物に何か継承したいと考えた。そこで、カリン／モクレン／月桂樹／サルスベリといった、この地に残る木々の花や実をピクトグラム化し、外壁とガラスのファサードにプリントしている。

各住戸が水平／垂直にテリトリーを広げた独特な平面構成により、奥に長い敷地の形状が持つ採光や景観のメリットを、3住戸の全ての部屋が享受し、プライベートテラスをもたらす住戸配慮となった。また、斜線制限をクリアするため建物の一部を地上面より約900mm下げたことで、全体的に高さを押さえた建物となり、近隣との余白を確保している。

室内に立ちぼんやりと見つめるガラスのピクトグラムは、時間によってその表情を変え、東京の風景と共にインテリアの一部となる。